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Lantern Guide

灯油ランタンの仕組み

灯油やランプオイルなどの液体燃料を使い、明かりを灯す「ランタン」には大きく分けて2種類。ひとつは燃料タンクに圧力をかけ、灯油をガス状にして眩しい光を放つ「加圧式ランタン」と Wick(芯)を使用し、燃料を吸い上げ炎を灯す「ランプ」があります。または、持ち運べて、風に強い屋外専用のものをランタンといい、据え置き型のインテリア専用のものをランプと呼んでいます。

加圧式(圧力式)ランタンとは?

加圧式(圧力式)ランタンの仕組み

マントルの発明

 アウアー・ウェルスバッハは1885年、トリウム溶液に浸した綿糸を、バーナーの炎にかざすと、白く輝くことを発見しました。より研究を重ねた後、トリウムとセリウム硝酸塩の混合液に浸すと、より発光力が増すことがわかりました。ガスの裸火にかぶせることにより、その明るさをなんと6倍に。「マントル」は火をつけると、編み込まれた綿は燃え尽き、トリウムとセリウムの固い酸化物が残ります。もろい物ですが、この発明は革命的で、特に街燈照明の分野で世界中の至る所で使用されてきました。


灯油ランタンの発明

 まもなく、簡単に持ち運べるように、液体燃料を使用するアイデアが出され、 19世紀の終わりには、アルコールと灯油を使った灯器が開発され、燃料タンクを加圧し、液体燃料をうまく加熱・蒸発させ、ガス状の燃料を作り出すというもの。これらは「加圧式ランタン(Pressure Lantern)」と呼ばれ、ウィリス&ベイツ社が発明した「VAPALUX(ヴェイパラックス)」は現在も残る数少ない灯油ランタンのひとつなんです。


灯油ランタンのしくみ(ヴェイパラックス)

 ではその「ヴェイパラックス」ランタンを例に説明します。簡単に言えば、液体の灯油を気化させ、空気と混合させた燃えやすいガスを作りだす装置と思ってください。(加圧)燃料タンクは、手動ポンプにより圧縮され加圧され、気化器(ヴァポライザーもしくはジェネレーターと呼ぶ)へ液体灯油を押し上げるのに用いられます。
(予熱)マントルに火をつける前に、まずはヴァポライザーの中で液体灯油をガス状にしなければなりません。そのため、予熱カップに注いだアルコールを燃やしヴァポライザーを十分に熱します。これを予熱(プレヒート)と呼びます。
(燃料の気化)一度、ガス化した灯油に火がつくと、マントルから吹き出す熱によって、ヴァポライザー内の液体灯油は常に気化され続けます。液体灯油はほぼ250℃(480°F)で沸騰し蒸発。ガス状になった灯油は、温度を高めながら、ほとんど音速に近い速度でヴァポライザー上部のニップルから吹き出します。
(空気との混合〜燃焼)圧縮されたガス状の灯油は一気に膨張しながら、バーナー内の小さな空間で、エアーボタンから吸い込まれた空気と混ざりあいます。完全に混合されたクリーンなガスはバーナー下部のノズルから吹き出し、燃焼しながらマントルにぶつかり、白いまぶしい輝きを生みます。
 この基本的な仕組みは、ペトロマックスやコールマン等全ての加圧式ランタンに共通。これをご理解いただければ、ランタンのメンテナンスに大いに役立ちます。

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